Kassyの試写会映画生活

主に試写会メインで新作の映画についての感想を残していきます。

「プライベート・ウォー」戦場の現状を最前線で伝え続けた記者の生様

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監督:マシュー・ハイネマン

主演:ロザムンド・パイク

世界中の戦地を取材してきた戦場記者メリー・コルヴィンの半生を描いた伝記ドラマ。黒い眼帯を着けて戦地に赴くメリーを、『ゴーン・ガール』などのロザムンド・パイクが演じる。『フィフティ・シェイズ』シリーズなどのジェイミー・ドーナン、『ラブリーボーン』などのスタンリー・トゥッチらが共演。『カルテル・ランド』などのマシュー・ハイネマンが監督を務めた。

2019年9月13日公開。

 

戦場の現状を最前線で伝え続けた1人の女性ジャーナリスト、メリー・コルヴィンのお話。

メリー・コルヴィンと言う人は数々の戦地へ赴き、いくつもの賞を受賞する素晴らしい戦場ジャーナリストであるが、裏では深いPTSDに悩まされつつ強い想いに突き動かされ戦場へと行く。

映画では私生活は酒とタバコに溺れてボロボロなシーンと戦場のシーンが交互に描かれるが、そこに戦場があるからいくと言わんばかりに戦場に行く様は、なんでそこまで…と凡人の私は思ってしまうが、ジャーナリストとしての精神にただただ感服するばかりであった。

監督はドキュメンタリー作家のマシュー・ハイネマンで、本作が劇映画デビュー。「ラッカは静かに虐殺されている」でもシリアを撮っているが、本作でも数々の戦場が登場する中でも特に重要な地としてシリアが登場する。シリアの様子は劇中で非常に克明に描写されるのだが、その中で数々の戦地へ行ったメリーが「ここが一番ひどい」と言ったのが印象的だった。
PTSDになるほどショッキングな出来事が沢山あったのに…
そこでここはヤバいと言われながらも最前線でレポートし続ける彼女の姿を演じきったロザムンド・パイクの姿を是非見ていただきたい。

戦争になったら。
それは国でもなく官邸でもなく、民間人が一番犠牲になる。そして一人一人それぞれの戦争を体験していくことになる。
それを伝えるには大きくまとめられたニュースではなく、生の声を伝えるジャーナリストの力が必要だと。

なぜそこに行くのか、ではなくなぜ伝える必要があるのかについて深く考えたい映画だった。もっとニュースをきちんと理解しないといけないと反省した。