Kassyの試写会映画生活

主に試写会メインで新作の映画についての感想を残していきます。

2020 第92回アカデミー賞結果発表

作品賞

【観賞済】ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
【観賞済】ジョーカー
【未鑑賞】1917 命をかけた伝令
【観賞済】アイリッシュマン
【観賞済】マリッジ・ストーリー
【観賞済】ジョジョ・ラビット
【観賞済】フォードvsフェラーリ
【観賞済】ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
【観賞済】パラサイト 半地下の家族

この中で鑑賞済みで個人的な好みのランクをつけるとすれば


ハマった
ジョーカー、ストーリー・オブ・マイライフ、パラサイト 半地下の家族

普通
ジョジョ・ラビット、フォードvsフェラーリ

ハマらなかった
アイリッシュマン、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

 

唯一未鑑賞の1917が本命と言われていたので、その通り作品賞かなと考えていました。
監督賞がポン・ジュノだったので流石に分けるかな?と。
結果パラサイトが大方の予想を覆し、見事歴史的快挙で作品賞受賞となりました。
大穴でパラサイト、ジョーカーに投票してましたが結果的には正解でした。

 

主演男優賞

【観賞済】ホアキン・フェニックス「ジョーカー」
【未鑑賞】アントニオ・バンデラス「Pain and Glory」
【観賞済】アダム・ドライバー「マリッジ・ストーリー」
【観賞済】レオナルド・ディカプリオ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
【未鑑賞】ジョナサン・プライス「2人のローマ教皇

 

鑑賞済みの中では圧倒的にホアキンが取るだろうと思ってました。あのお芝居は取らせてあげないと。アダム・ドライバーも今回は取れませんでしたがいずれきっと取るはず。

 

主演女優賞

【観賞済】レネー・ゼルウィガー「ジュディ 虹の彼方に」
【観賞済】スカーレット・ヨハンソン「マリッジ・ストーリー」
【観賞済】シャーリーズ・セロン「スキャンダル」
【未鑑賞】シンシア・エリボ「ハリエット」
【観賞済】シアーシャ・ローナン「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

未鑑賞はハリエットのみ。
鑑賞済みの中では圧倒的にレネー。マリッジ・ストーリーのスカヨハも良かったですけどね。ジュディの再現、ラストの歌のお芝居など胸に迫るものがあり良かったです。

 

助演男優賞

【観賞済】ブラッド・ピット「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
【観賞済】ジョー・ペシアイリッシュマン」
【観賞済】アル・パチーノアイリッシュマン」
【未鑑賞】トム・ハンクス「A Beautiful Day in the Neighborhood」
【未鑑賞】アンソニー・ホプキンス「2人のローマ教皇

鑑賞済みの中ではブラピ。ひたすらかっこいいスタントマンでした。
ようやくの初受賞ということでめでたいです。
結果ディカプリオもブラピも受賞出来るとは、顔だけじゃなく努力や経験を積み重ねてきたことを表していますね。

 

助演女優賞

【観賞済】ローラ・ダーン「マリッジ・ストーリー」
【観賞済】マーゴット・ロビー「スキャンダル」
【観賞済】スカーレット・ヨハンソンジョジョ・ラビット」
【観賞済】フローレンス・ピュー「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
【観賞済】キャシー・ベイツ「リチャード・ジュエル」

鑑賞済みの中ではスカヨハでした。ショッキングなシーンもあり、印象的だったので。
結果的にはローラ・ダーン。作品賞や監督賞に比べて俳優賞はどれも順当でした。

 

結果的には大本命だった1917が主要部門がほとんど取れず、パラサイト旋風に負けた格好になりました。
アカデミー賞発表の週に公開ということで、配給会社もかなり力を入れていたと思いますが・・・ガックリでしょう。

とは言え、注目作であることは間違いなし。1917を見て今年のアカデミー賞を締め括りたいと思います。

「ジェミニマン」3D+in HFRが凄い!新時代の映像に注目!!

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監督:アン・リー

主演:ウィル・スミス

 

2019年10月25日公開。

 

3D+in HFR(ハイフレームレート)という上映形態でジャパンプレミアで鑑賞。

 

とにかくこの120フレーム撮影で撮られたアクションシーンも映像的が大変面白く、飛び散る破片や水滴などの奥行き感がしっかりと感じられたり、特にコロンビアでのバイクチェイスシーンは自分が運転しているかのような没入感があり素晴らしかった。
アクションシーンがやけに暗いところでばかり行われてイマイチよくわからないところもあるのが少し残念であるが、全体的に映像は立体的で非常に綺麗。

 

現在のウィル・スミスvs若いウィル・スミスというアイディアありきの映画なのだが、現代技術を駆使して作られた若いウィル・スミスがとても映像的に自然で、違和感なく見る事が出来てしまう。

 

話としてはスケールが大きい話のようでいて、あまり広がらずにスケールの小さい話になった印象を受けたが、とにかく映像的なアイディア勝負という映画なので新しい体験をしにいくような感覚で見るのが正解な映画かと思う。
ぜひ劇場で新しい体験をしてみてください。

「ロボット 2.0」脳みそが麻痺しそう。スマホvsロボット対決

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監督:シャンカール

主演:ラジニカーント

 

2019年10月25日公開

 

前作は未鑑賞。
御歳68歳のインドのスーパスター、ラジニカーントが主演で、「パッドマン」のアクシャイ・クマールが悪役を演じる。総制作費は「バーフバリ」の73億を超える90億で、インド史上最高の製作費を投じられている。前作を見た方によると前作のCGはしょぼめだったそうだが、今作はアイアンマンやアベンジャーズVFXアーティストや技術スタッフを沢山集めたという事もあり、CGはかなり向上した模様。

 

スマホを恨み、人々からスマホを奪うというスマホ依存の現代人に警鐘を鳴らすストーリーや設定はなかなかぶっ飛んでいるのだが、1つ説明すればわかるをことを10説明してくるように細かいシーンを差し込みまくりでとにかくクドくて見ていてかなり疲れる。悪役の言い分に割いてる時間もかなり長くて、なんだか可哀想な気分に洗脳された。

 

前半はぶっ飛んだ設定の割にあまり笑えなくて、うーんこんなもんか?という感じだったが、終盤のバトルシーンはついに本領発揮という感じでかなり笑えた。つっこみたくなる必殺技のオンパレード(笑)もっとこういうテイストで全編やってくれても全然いいし、もうちょっとスリムにしても面白いと思うんだけどな。前フリが長すぎるコントみたいな感じ。

 

エンドロールはこれぞインド映画の真骨頂、歌とダンスが登場するのだが、何が何だかわからないイメージビデオのようで見ていて脳みそが溶けそうだった。最近のインド映画は面白い作品が多いだけに、この脳みそが麻痺するような感覚、久々だ。このバカバカしい話を大人達が真剣に大金かけて作るんだから、インド映画ってやっぱり素晴らしい(笑)

 

ぶっ飛んだ作品を探している方、オススメです。

「イエスタデイ」ビートルズは最高。物語は想定の範囲内

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監督:ダニー・ボイル

主演:ヒメーシュ・パテル

 

 

 

ビートルズの楽曲が全編に溢れ、エド・シーランなども出演し細かい小ネタが詰まった楽しいコメディなのだが、予告どおりの想定の範囲内の物語だった。


ビートルズの楽曲を使って成り上がるものの悩むというメインストーリーに、売れない時から支えてくれたエリーとの恋模様も絡んでくるわけだが、絡むのはいいのだがこの関係が「あと1センチの恋」かよっていうくらい煮え切らない。この関係が萌える!っていう人もいるかもしれないが、エリーの人物造形が男性が作った理想の女性像って感じで違和感しかなかった。めちゃめちゃ可愛いのに、冴えない小太りの才能ない売れないミュージシャンに一途に健気に支えてくれて20年も待ってるとか…いやぁリリー・ジェームズが可愛すぎておとぎ話すぎる。


ーーここから少しネタバレーー


物語の途中で「ある人」が出てきて、なるほど監督はこれがやりたかったのか。と納得した。
これはある意味、ダニー・ボイル版「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ならぬ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・リヴァプール」なのかもしれない。ビートルズが存在しないということは、起こることも起こらなくなる。このことが一番のifなのかもしれないと思った。ファンだからこそあの事をなかったことして未来を描いてあげたいのは自明の理だ。

 

エド・シーランもビートルズに完敗だと認めるような役どころだが、これもご本人のビートルズに対してリスペクトがあるからだからだろう。心意気ですね。

 

しかしながら、ビートルズの楽曲ってやっぱり最高だよね。くらいしか感想が湧いてこない映画という印象だった。


ただ、見終わった今はビートルズ楽曲をついつい口ずさんでしまう。
ビートルズ世代ではない私でも、映画界が作りたいであろうビートルズの伝記映画がいつか作られることを心待ちにしている。

「フッド:ザ・ビギニング 」弓矢アクションは面白いけど…

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監督:オットー・バサースト

主演:タロン・エガートン

 

2019年10月18日公開。

 

ずっと壮大な音楽が鳴り響いて流れるように話が進んでいき、アクションの連続で緩急が全然ないので途中で眠たくなった。

 

ロビンの弓を使ったアクションは面白いと思うのだが、キャラクターに全然魅力がないのがツライ。アクションが手に汗握る!というよりずっと心が無の状態で見させられている感が強い。

 

流れるように運びすぎてダイジェストのようになってしまっているのだろう。もう少し立ち止まっても映画としてはいいと思う。

 

タロンくんの肉体美は堪能出来るのが幸い。とはいえしょっちゅうマスクを取るので、いやバレバレでは?と思ってしまった。顔を見せたいのか。

「楽園」田舎の集落の闇。そこに楽園はあるのか

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監督:瀬々敬久

主演:綾野剛

 

『悪人』『怒り』などの原作者・吉田修一の短編集「犯罪小説集」の一部を、『64-ロクヨン-』シリーズなどの瀬々敬久監督が映画化。ある村で起こった幼女誘拐事件、少女行方不明事件、養蜂家にまつわる事件を通して、人々の喪失と再生の物語が描かれる。少女行方不明事件の犯人だと疑われる主人公を演じる綾野剛をはじめ、NHK連続テレビ小説とと姉ちゃん」などの杉咲花や『64-ロクヨン-』シリーズで主人公を演じた佐藤浩市らが共演する。

 

2019年10月18日公開。

 

吉田修一さんの短編集、犯罪小説集の中の「青田Y字路」と「万屋善次郎」を組み合わせて作られた作品となっている。
ある田舎の集落で小学生の女児がいなくなった事を発端に、限界集落の闇、田舎の閉ざされた中だから起こる事件に心痛める作品だ。

 

しかしながら、瀬々監督らしい抑揚のないトーンでのエピソードの羅列の仕方にやや物足りなさも感じてしまう。
同じ原作者であり似たようなテーマを扱っている「怒り」と比較してしまうと、どうしても…


物語の組み合わせ方、登場人物の登場するそれぞれの意味、エピソードの取捨選択に疑問符がつく。
それぞれが話しているセリフが私には一方通行、話したい事を話しているだけで全然会話になっていないように感じた。
それはラストになる程顕著になってくる。

現実に起こったやるせない事件をモチーフにした話だけに、思いの深さはあるものの言葉にしてしまうとなんだかラストの締め方が残念に感じてしまった。

 

タイトルの楽園は瀬々監督の発案との事。
登壇した俳優陣は「楽園」というタイトルにある種救われたとおっしゃっていた。
人は楽園だと思ってその土地に住むけれど、楽園にするかどうかは土地ではなく人次第なのだろう。

 

気になったのはエンドロールの曲の入り方。かなり間があるが、間髪入れず上白石萌音さんの第一声にした方が良かったのでは。

「WALKING MAN」吃音の少年がどん底の中で出会うラップの力

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監督:ANARCHY

主演:野村周平

 

人前で話すことが苦手な青年がラップと出会い、底辺の生活から抜け出すために奮闘する青春ムービー。ラッパーのANARCHYが監督を務め、自身の実体験を盛り込んだ。漫画家の高橋ツトムが企画・プロデュース、女優・脚本家の梶原阿貴が脚本を担当した。『純平、考え直せ』などの野村周平が主人公にふんするほか、優希美青柏原収史石橋蓮司らが共演。

 

2019年10月11日公開。 

 

ゴリゴリのラッパーであるANARCHY監督もきっとラップに救われたんだろうなぁ。
言いたい事をラップのビートに合わせてなら言える。
普段は言えないことも、MCバトルでなら言える。
リリックを自分で書いて、想いを繋げて。
少年が見つけた自分のビートの刻み方がまさかの「アレ」がきっかけなのは面白いと思ったし、目指したい方向はわかる作品だった。

ただ、いくらどん底を描きたいにしてもちょっとやり過ぎて不自然に感じた。妹はお花畑すぎるし、周りの大人のエピソードも正直形式張った感じ。
あと扱う題材の割になんだかまとも過ぎてこじんまりしてしまっている。ラップを始めたことで変わる世界をもっと感じたかった。
これはでも、ANARCHY監督が「とにかく良い話を作りたい」という気持ちだったらしいので、良い話を作りたかったんだろう。