Kassyの試写会映画生活

主に試写会メインで新作の映画についての感想を残していきます。

「台風家族」遺産相続が巻き起こすブラックコメディ

f:id:ksks1215:20191007094941j:plain

 

監督:市井昌秀

主演:草なぎ剛

 

『箱入り息子の恋』などの市井昌秀監督が、構想に12年をかけて自身のオリジナル脚本を映画化。両親の財産分与を行うため、久しぶりにきょうだいが集まって起こる騒動を、ブラックユーモアを交えて描く。一家の長男に草なぎ剛、次男に新井浩文、長女にMEGUMI、三男に中村倫也がふんし、彼らの両親を藤竜也榊原るみが演じるほか、尾野真千子若葉竜也らが共演した。

 

構想12年という市井昌秀監督のオリジナル作品。
新井浩文さんの逮捕により公開も危ぶまれていたが、なんとか無事公開となった。しかし3週間限定なので、観たい方はお早めに。

両親が銀行強盗を行い行方不明に。その後疎遠になっていた兄弟は、行方不明&時効成立をもって遺産相続のために集まることになり…

監督のここ最近の作品はジャニーズ主演の原作モノが多かったが、どうも監督の持ち味と食い合わせが悪いような印象を受けたが、本作はオリジナルという事もあり、やりたい事が発揮されつつ形になっている作品だと感じた。

遺産相続という事で、それぞれ下衆い本性をさらけ出す兄弟達。4兄弟を草なぎ剛新井浩文MEGUMI中村倫也が演じているが、特に草なぎ剛演じる長男は沼のように果てしなく下衆い。そこに闖入者が次々と現れて場はますます混乱していくが、次何気ないフラグがどんどん回収されていく。ドタバタ喜劇からヒューマンドラマへと物語は展開して行く。ラストの展開はある種のファンタジーではあるが、後味は台風が過ぎ去った時のように晴れやかだ。

基本家の中だけのワンシチュエーションブラックコメディだが、工夫は凝らしているので飽きさせない。監督特有の異常な長回しも、芸達者な出演陣のおかげで本作ではあまり違和感がない。ところどころ脚本に??と思うところがないわけではないが、ここ最近の作品と相性が合わなかったので、久々にやりたい事やれてるなという印象だった。